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「不動産」






 
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2002年8月15日(木)

再評価後の売却益計上。そして身内REITへの売却。

三菱地所さんが中間決算の業績予想を上方修正しました。原因は2つです。

まず千代田区丸の内の底地を売却すること。簿価33億円を175億円で売却したための利益が生じます。注目は、この底地は今年3月に土地再評価法で33億円に帳簿価格を引き上げたばかりだということ。

土地再評価法とは都合のいい時に土地を再評価をして含み益を計上できるという上場企業にとって便利な仕組みになっていました。そして公示価格・路線価・固定資産税評価・実勢価格その他自由な金額を再評価額として選べました。この再評価による含み益で債務超過転落から救われた上場企業は多いはずです。さて三菱地所さんは固定資産税評価額の10%の33億円をこの底地の再評価額としていました。それが半年も経たずに175億円で売れたのです。再評価額とは時価と別のもののようです。

もちろん企業会計の安全性のために厳しく時価を見積もったともいえます。それは良いことであり余裕のない企業には到底真似できないことであり、三菱地所さんなればこそなのですが。

もう一つは千代田区神田のビルを売却したこと。このビルは今年3月には時価を基準にして62億円の減額(評価損の計上)をしたものです。記事によれば「実勢価格を下回る水準まで帳簿価格を切り下げたため、今回の売却では逆に利益を計上する結果になった」とあります。(以上日経金融2002.8.7号)

9億円弱の売却益の計上となっています。さてこの神田のビルは第三者に売却されたのではなく、三菱地所さん自身が中心として運営するREIT(不動産投資信託)に売却されました。

このビルは複数の個人地主を含む近隣地権者との共有による共同ビルのようです。一部地権者から三菱地所さんが持分を買い取る等複雑な経緯もあり、各所有者持分については三菱地所さんがサブリースで借り上げているようです。今回の売却は三菱地所グループの共有持分の売却です。三菱地所さんは持分5%を残して残りを売却します。そしてREITへの売却分はサブリース目的のリースバックになります。

今年3月に時価評価(これは土地再評価法によるものではないはずです)したばかりのビルの売却で利益がでます。また単独所有でなく個人地権者の相続等を考えれば将来は面倒な共同ビルでしょう。

それを自ら5%の持分だけ残し、またサブリースのビジネス権利を留保したまま、身内の自由になる相手に売却します。売却の相手は身内ですが「他人の金(投資家の金)」であるREITです。果たして外部への売買ならこのように都合よくいくのでしょうか。

鑑定評価は権威のあるところで行われています。三菱地所さんのことですからコンプライアンスもきっちりしているでしょうから「他人の金」の出し手である投資家たちも心配不要でしょうけれど。ちなみに日刊不動産経済通信2002.8.9号によれば売買持分への表面利回りは年9.8%にもなっているといいます。REITにとってはいい買い物かもしれません。

さて数多いビルの中で何故このビルが選ばれたのか。一般論で言えば不動産会社がREITを運営するということは都合のいいお財布をもつことになります。

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